ドローンの基礎知識

ドローンの日常メンテナンスは安全飛行の秘訣!6つの項目と定期点検のタイミングを解説

ドローンを飛行させたり空撮したりすると、たくさんの夢や可能性が広がる魅力的な世界と出会えますね。
またドローンを手に入れると快適で安全な飛行をし続けたいと願われることでしょう。
購入した大事なドローンを愛用し続けるために、どんな日頃のメンテナンスが必要になってくるでしょうか?
そうしたメンテナンスはドローンを長持ちさせるだけでなく、安全性にも大きくかかわってきます。
この記事では、整備不良で起こる危険とそれを回避させるための具体的なメンテナンス方法を紹介します。

ドローンの日常メンテナンスが重要な理由

ドローンは時計やパソコンなどと同様の精密機器で、取扱には細心の注意が必要です
作りは丈夫になっているもののドローンの構造は繊細で、コンピューターチップやセンサー(GPS・ジャイロセンサーなど)が搭載されています。
さらに空撮用カメラは高温に弱くデリケートです。

しかしそんな精密機器であるにもかかわらず、屋外で埃や砂などを浴びる過酷な環境で使用しなければなりません

また故障して墜落する危険性もあり、その場合は機体の損傷だけでなく、人に当ってしまうと重大な事故に繋がりかねません。

ですから日常のメンテナンスや定期点検は必須といえます

そして長く愛用して使いたものですね。
こまめな日常点検で末永い相棒として長持ちさせドローンの寿命を延ばし大切に使いましょう。

ドローンのメンテナンスに必要な道具と保管方法

ドローンのメンテナンスをするために簡単な道具と理想的なドローンの保管方法を解説します。

必要な道具3つ

エアスプレー
ドローンは高速回転のプロペラで、たくさんの埃や粉塵を巻き上げて離着陸し、さらに機体は風の抵抗を受けながら飛行します。
モーターやジンバルといった細かな部分の砂塵をはらうのに、エアスプレーをシューと吹きかけるだけで除去できます。
言うまでもないことですが、まちがっても息で吹きかけるようなことは避けましょう。
またエアスプレーはパソコンやカメラにも使用できる不燃性のものを選びましょう。
可燃性のスプレーの場合、高温になるモーターに吹き付けるのは非常に危険だからです。

手動タイプのブロワー
スプレー缶の場合、使い切った後の処理が大変です。
手動タイプのフロワーは、小さなポンプのようになっており、手動でシューシューと吹き付けて埃を除けます。

不燃性のクロス
ドローンの汚れをふき取る時も、火災や故障に繋がるアルコールを含んだティッシュなどは避けます。
不燃性のクロスなどを用意しておきましょう。

保管方法

ドローンの保管環境
ドローン保管のために、理想の保管温度は22~28℃、湿度は40~50%とされています。

ドローンは前述したように精密機器ですので、保管場所は衝撃や振動を受けにくく、カビなどにも配慮した保管環境を整えましょう。

ドローンの持ち運び方法
ドローンを空撮する際は屋外の使用となるため、外に持ち出すために必要なケースを用意しておくことをおすすめです。
いくら小型軽量でポケットサイズであっても、カバンにそのまま入れるのは推奨できません。
なぜなら移動の衝撃でパーツ(部品)が変形したりする可能性があるからです。
持ち運び方法として、ソフトタイプとハードタイプのケースを紹介します。
ソフトタイプのケース

比較的コスパもよく軽量でコンパクトで、価格は3000円~5000円程度です。

ハードタイプのケース

<引用元:SEKIDO
防水・防塵・耐衝撃仕様で丈夫である特徴があり価格は約1万円からです。

自分で行えるメンテナンス6項目

ドローンの構造を2つの機体を使って図解します。

下から見たドローンの構造です。

やや上から見たドローンの構造です。

                         ESCとはモータードライバーのことで
                         モーターの回転数を制御しています。

無人航空機飛行マニュアルでは飛行前に「各機器は確実に取り付けられているか」「モーターの異音はないか」「プロペラに傷やゆがみはないか」「バッテリーの充電量は十分か」を挙げて飛行毎の日常点検を進めています

以下が日常点検の6項目です。

①モーター
②プロペラ
③フレーム
④電気系統
⑤バッテリー
⑥送信機

①モーター

ドローンの生命線といえるパーツです。
モーターが異常をきたすと即墜落に直結してしまうからです。
いくら小型軽量で重さは数百グラムといえ、人の頭上にいきなりドローンが落ちてくると怪我をしてしまいます。
また屋根や自動車の上に落ちると傷や破損の可能性があり、膨大な修理費が請求されることがあります。

飛行後にできる点検として、ドローンの機体に触れてみましょう。
明らかに通常より機体が熱いと感じる時は、モーターが焼き切れる寸前かもしれません。
また旋回の操縦もしていないのに、ドローンが緩やかに左右に旋回しまっすぐ飛行できない場合、回転翼にあるモーターの一部が弱まっていることが考えられます。
モーターも消耗品ですから、そうした異常があった時には交換を考え専門店に相談するのは重要です。

日常のメンテナンスとして、エアスプレー・ブロワーを使用し、モーター内部の埃や異物を取り除いておきます。
さらに以下の点も大切です。

モーターに傷やへこみがないか?
異物が混入していないか?
回転動作の異常はないか?
回転時に異音はしていないか?
ドローンの飛行前に、モーターに関して、以上の事柄を点検しておきましょう

②プロペラ

プロペラも消耗品で劣化や外傷が見つかったら交換が必要です。
ドローンは屋外で飛ばすことが多いため、何かと障害物にぶつかりがちです。小石などが当たったりして小キズがつくことがあります。
特にプロペラはほぼむき出しの状態で屋外を飛行しますから歪みや傷などが発生しがちです。

プロペラの劣化の見分け方は、プロペラが硬くなり柔軟性に欠けてきたら交換のタイミングです。
なぜなら屋外で日差しを浴びてプロペラはどんどん硬化していくことになり、最終的にぽきっと折れてしまうことになるからです。
またプロペラに歪みが発生していた場合も、交換した方が良いでしょう

③フレーム

「フレーム」とは、ドローン機体の基礎となるパーツです。
このフレームにモーターやプロペラ、バッテリー、フライトコントローラーなどの各パーツを搭載していきます。
ですから、

外傷や湾曲などの異常がないか?
ネジに緩みがないか?
などの確認が必要です。


ボディの歪みは正常飛行を妨げますから、ボディを平らな所の置いて、湾曲していないかの確認をしてください。

また毎回の飛行後に汚れを拭き取っておきましょう。
そのために、ただの湿らせたティッシュでよく、可燃性のアルコールティッシュ等は、火災・故障の原因となるため使用してはなりません。

④電気系統

ドローンの電気系統に異常が起こると大変なことになります。
機体の飛行やカメラの操作、その他いろいろな箇所に影響を及ぼし、時にはコントロール不能になってしまいます。

付着物があったり異物が入っていないか
腐食がないか?
水漏れはないか?
などの日頃のメンテナンスは欠かせません。

またドローンのケーブルの状態も確認し、

損傷はないか?
砂埃は溜まってないか?
などを良く観察し点検しなければなりません。

また同時にコネクタに異常がないかも確認しエアスプレーで掃除しましょう。

⑤バッテリー

バッテリーはドローンの動力源であり取り扱いは特に気を付けなければなりません
バッテリーも飛行に直接影響する重要なパーツで、バッテリー温度が異常に上がると墜落の原因にもなり、扱い方が悪いと破裂や火災が起きたりします。

外傷はないか?
バッテリーの温度の状態は正常か?
セルバランスの状態=バッテリーの電圧異常はないか?
以上の点を確認しておきましょう。

バッテリーを長持ちさせる保管方法
専用の袋に入れておく
ドローンやラジコンで使われるリポバッテリーは危険物です。
なぜなら使い方を誤ると発火や爆発を引き起こしたりするからです。
保管時には専用の袋に入れることで、水濡れや衝撃を避けられますし、万が一の発火に備えるためにも専用袋に入れておきましょう。

バッテリー残量を40~65%にしておく
バッテリーは「満タン」「空っぽ」の状況での保管は故障の原因になります
そして、一度故障してしまうと再起不能です。
以下の点に注意して取り扱いましょう。

バッテリーや充電器は純正品を使う
保管時はバッテリー残量60%を目安にして保管する
少なくとも 3 ヵ月に 1 回は本体・送信機のバッテリーを完全に充電する

またバッテリーを10 日以上使用しない場合は、充電した後、日陰で乾燥した環境に保管することがおすすめです。(環境温度22~28℃が最適)
このことはバッテリーの活性を保ち寿命を延ばすことに役立ちます。

⑥送信機

ドローンの送信機が正常であるかどうかも重要です。
なぜなら送信機が急に壊れた場合、ドローンは操縦不能に陥り建物の窓ガラスに激突して割ってしまったり、墜落するなど非情に危険だからです。

操縦スティックに異常はないか確認し、問題なければエアスプレーで埃などを除去してください。
また送信機差込口や端子の破損に注意しましょう。

「送信機の電源を入れたらビープ音が止まらない」という送信機エラーの時どうすればいいか?

送信機のバッテリー残量が低下(6%~10%)している
送信機のスティックエラーが発生し、スティックキャリブレーション(送信機校正・調整)の必要がある

送信機のバッテリー状態の確認は意外と忘れやすいものです。。
飛行中に急にバッテリー切れなると危険ですから、送信機の残量の表示を飛行前と後で確認しておきましょう。

<参考サイト:DroneWiki
<参考サイト:DroneBiz

ドローンの定期点検に出すタイミング

ドローンを定期点検するタイミングが「無人航空機飛行マニュアル」で提案されています。

飛行20時間が目安

「無人航空機飛行マニュアル」によると、飛行前後の点検に加えて、飛行20時間毎の点検と所定の書式による点検・整備を実施者が実施記録の作成と管理を求めています。
このメンテナンスや記録の管理は義務ではありませんが、下表の書式にある点検・整備の項目は大いに参考になりますのでチェックしながら日頃のメンテナンスに役立つでしょう。

<参考サイト:国土交通省・無人航空機飛行マニュアル

所定の書式の点検・整備のエクセル表です。

<引用元::DroneBiz

万一に備えてドローン保険に入る

ドローンを飛ばすなら事故のリスクも伴ってきます
機体の損傷の補償や万が一の落下により他人に怪我を負わせた時のためにドローン保険に加入できます。
ドローンの保険は必須ではないものの、もしもの事態に備えられます。

機体保険

ドローンを飛行させていると想定しない事態が起こることがあります。
たとえば突然鳥がぶつかってきたり、電波障害で一時制御不能になり激突や落下したりなど、気を付けてドローンを操縦していても回避が難しいトラブルがあり、ドローンが修理不能にまで損傷することがあります。
また操縦が未熟でミスを起こす場合もあることでしょう。
こういった時のため、メーカーでドローンを新しくしてくれる機体保険があります

賠償保険

予測できないような事態が生じ墜落して人にあたり怪我をさせてしまった時に補償してくれます。
対人事故は多額の損害賠償を請求されることもありますので加入をおすすめします。
世界トップシェアメーカーのDJIでは「DJI公認ドローン保険」というものが用意されていますので参考にできるでししょう。
その保険では機体保険と賠償保険の同時加入も可能です。
またその他の保険会社にも保険商品がありますから比較してから加入できますね。

まとめ

ドローン市場はますますの広がりを見せています。
空前のドローンブームといっても差し支えないでしょう。
しかしそれと同時にドローンによるトラブルも増えてきているようです。
それで安全なドローン飛行を楽しむためには、日頃のメンテナンスが重要になってきます。
そのためドローンのメンテナンスとして必要な6項目がありますので、大事に使うために是非参考になさってください。
そうしたメンテナンスや定期点検は、ドローンを故障させてしまったり事故を防いだりするためにも必要です。
また今や多くの人がドローンを購入されるようになるなか、せっかく手に入れたドローンを長持ちさせ愛用し続けていってほしいものだと思います。
必要なメンテナンスと定期点検で、みなさまが安全で快適なドローン飛行を楽しまれますよう願っております。

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